鹿児島市議会議員定数条例一部改正の件3 提案説明全文
私が提出者を代表し、3月1日に鹿児島市議会本会議で行った、第129号議案の提案説明全文を掲載いたします。
以下全文
ただいま上程されました、鹿児島市議会議員定数条例一部改正の件につきまして、提出者を代表して提案理由をご説明申し上げます。
まず、今回の提案に至った経緯について申し上げます。
これまでも本市議会においては、議会運営委員会や議会改革推進研究会等において、議員定数について協議が行われてきたことは、ご承知のとおりであります。
その後、今任期に入り、改めて議員定数に関する協議を行うことについての提起がなされました。議会運営委員会においては、「削減すべき」と「現状維持すべき」という2つの意見が出され、意見の一致をみるに至らなかったことから、先般の同委員会において「削減を主張した会派等においてその主張に沿った議案を提出する」ということになりました。
その後、同委員会における協議経過を踏まえ、議案提出に対する賛同を募り、今回の提案に至っております。
次に、議員定数条例を改正する理由についてであります。
私どもは、鹿児島市議会基本条例第17条において「議員定数の改正に当たっては、人口、面積、財政力、事業課題等を類似する他地方公共団体と比較検討し、議会が市民の意見を十分に反映できることを勘案するものとする」と定めており、これまでも各会派等が条例に定める観点も含め、各面から意見を出し議論を重ねてまいりました。
例えば、類似する他地方公共団体である中核市と比較した場合、これまで議会運営委員会で提出された資料をもとに申し上げますと、現状は議員一人当たりの人口については、11,962人で、中核市48市中多い方から6位、議員一人当たりの行政面積については、10.95km2で、中核市48市中広い方から21位、議会費の一般会計予算に占める割合については、0.47%で、中核市48市中低い方から11位となっており、この現状に対する評価は決して悪いものではないと考えます。
これを仮に今回提案した45人で試算した場合、議員一人当たりの人口が13,291人で、中核市48市中2位、議員一人当たりの面積が12.17km2で、中核市48市中17位、議会費の一般会計に占める割合が0.43%で、中核市48市中9位とそれぞれ順位が上がることになります。
ただ、これまでの議論で一定明らかになったように、「適正な議員定数をどのように導き出すか」ということは非常に難しく、「議員定数は多ければ多いほど良い」というものでもなければ、「少なければ少ないほど良い」というものでもありません。
先ほど述べたような、類似都市との比較検討を行ったうえで、最終的には、本市の様々な状況を踏まえ、本市議会が市民の意見を十分に反映できることを勘案し、総合的に判断すべきものと考えます。
そのような観点に立った場合、今回の提案に至った最大の理由は、本市の人口減少であります。
本市は、直近の国勢調査において、国の統計上、初めて人口減少となったことが判明し、60万人の大台を割り込みました。
この人口減少のスピードは予想以上に早く、本市が平成27年12月に策定した「鹿児島市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン」において、2020年に約60万人としていた人口も、既に現在の人口が60万人を割り込んでおり、予想を上回るスピードで人口減少が進んでいることがみてとれます。
加えて、国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計では、本市の人口は2040年に約52万人、2060年には約41万7千人になると予想されており、将来の人口減少は避けて通ることのできない大きな問題であります。
さらに、少子高齢化が進むことにより、65歳以上の人口比率、いわゆる老年人口比率は2040年において35.4%、2060年では39.5%との推計がなされており、これまでに経験したことのない高齢化に直面することになります。
超高齢化の進行に伴う生産人口の減少が本市の税収減につながるとともに、社会保障費の増大や人口減少に伴う地方交付税の落込み等が、本市財政に大きな影響を与えることは間違いありません。
このような鹿児島市の将来を見据えた場合、これまで議員定数について長きに渡り協議してきた私どもの責任において、将来に渡って同様の議論を繰り返さなくて済むよう、その議論に終止符を打つべきであろうと考えます。
以上のようなことを踏まえ、本市議会としても将来の人口動態や財政状況等を総合的に勘案し、より効率的な議会運営と市民意見のさらなる反映を目指し、議員定数を50人から45人に改めるものであります。
同僚議員の皆様には、よろしくご審議のうえ、議決していただきますようお願いいたします。
提案説明の模様は、以下のリックから動画で見ることが出来ます。
鹿児島市議会HPリンク
https://www.kagoshima-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=1589
3月9日は本議案に対する個人質疑が行われる予定で、私は議案提出者として登壇し、答弁することになります。
しっかりとした論戦を交わしたいと思っております。